今年のふるさと納税を、夫婦どちらの名義で寄付するか。わが家は10月に二人目が生まれるので、先にここを決めておく必要があった。結論から言うと、今年は夫である私の名義でまとめて寄付する。
理由を調べていく途中で、「知らないままだったら普通に損していたな」という落とし穴が2つ出てきた。同じタイミングで出産・育休を迎える家庭のために、判断の順番ごと書いておく。
結論:共働きなら「その年に課税所得が多いほう」の名義で寄付する
先に結論だけ。共働きで片方が産休・育休に入る年は、その年に課税所得が多いほうの名義で寄付する。わが家は妻が10月から産休・育休に入るので、今年は私の名義に寄せる。
理由はシンプルで、ふるさと納税は「本来納めるはずの税金を、先に別の自治体へ回す」制度だからだ。納めている税金が少ない人が寄付をしても、戻ってくる分は少ない。極端に言えば、その年に課税される所得がまったくない人が寄付をしても、それはただの寄付になってしまう。
なぜ名義で差が出るのか。育休の給付金は「非課税」だから
ここが今回いちばん大事なところだ。
産休・育休の間に受け取る出産手当金や育児休業給付金は、非課税所得にあたる。所得税も住民税もかからない。ありがたい話ではあるのだが、裏を返すとふるさと納税の控除上限を計算するときの「収入」には入らないということでもある。
だから「育休中も給付金でそれなりに入ってくるから、去年と同じくらい寄付できるだろう」という考え方は危ない。給付金の分は上限額に効いてこない。育休に入った年の上限は、その年に実際に働いて受け取った給与をもとに考えることになる。
年の途中から育休に入った場合は、それまでの給与があるので上限がゼロになるわけではない。ただ、例年より下がるのは間違いない。1年まるまる育休だった年になると、課税される所得がほとんどないので、寄付しても控除のメリットは基本的にないと考えていい。
わが家の場合、妻は今年の秋まで働いて、そこから産休に入る。だから妻の今年の上限もゼロではない。それでも私のほうが確実に多いので、世帯として枠を無駄なく使うなら私の名義に寄せたほうがいい、という判断になった。
落とし穴:出産した年は、控除の上限そのものが下がることがある
もう一つ、調べていて「これは気づかなかった」と思ったのがこれだ。
出産のあった年は、どうしても医療費が大きくなる。妊婦健診や分娩の費用は出産育児一時金などで補われるが、それでも自己負担が残ることがあり、その場合は医療費控除を使える可能性がある。
医療費控除を使うと、その分だけ課税される所得が下がる。家計にとってはありがたいのだが、課税所得が下がるということは、ふるさと納税の控除上限も一緒に下がるということでもある。
つまり出産した年は、
- 育休で世帯の給与そのものが減る
- 医療費控除を使うと課税所得がさらに下がる
という二重の理由で、上限が下がりやすい。ここを知らずに去年と同じ額を寄付すると、超えた分はまるごと自腹の寄付になってしまう。
わが家は医療費控除を使うかどうかを出産費用が確定してから判断するつもりなので、今年は上限いっぱいまで攻めない。例年は4万円ほど寄付しているが、今年は少し控えめに見積もることにした。
名義を決める前に確認したい3つのこと
① その年に課税所得が多いのはどちらか
判断の軸はこれだけと言っていい。1月から12月までの1年間で、給与をより多く受け取っているほう=税金をより多く納めているほうの名義にする。
上限額は、年収と家族構成を入れるだけで無料のシミュレーターで概算が出る。夫婦それぞれで一度ずつ計算してみると、どちらの名義にすべきかがはっきりする。共働きか片働きか、扶養に入る子どもが何人いるかでも変わるので、家族が増える年や働き方が変わる年は、面倒でも計算し直しておきたい。
わが家は毎年ここから始めている。上限を把握しないまま返礼品を選び始めると、だいたい欲が出て超えるからだ。
② 寄付する人の名義と、クレジットカードの名義を揃える
意外と引っかかるのがこれだ。ふるさと納税は、寄付を申し込む人の名義と、決済に使うクレジットカードの名義を揃えるのが原則とされている。夫の名義で寄付するつもりが、妻名義のカードで決済してしまうと、寄付が正しく処理されないことがある。
わが家は楽天カードを私名義で持っているので、そのまま私の名義で申し込めば問題ない。家族カードを使っている家庭は、申し込む前にポータルサイトの注意書きを一度確認しておくと安心だ。
③ ワンストップ特例は「寄付した本人」が申請する
確定申告をしない会社員なら、ワンストップ特例が使える。条件は、寄付先が5自治体以内であることと、寄付した本人の名前で申請することだ。申請書は翌年の1月10日必着なので、年末ぎりぎりに寄付すると書類が間に合わないことがある。
そしてここが出産した年の最大の落とし穴なのだが、医療費控除を使うために確定申告をする場合、ワンストップ特例は使えない。申請書を出していても無効になる。その場合は確定申告の中でふるさと納税もまとめて申告することになる。
これを知らずにワンストップだけ出して安心していると、確定申告のときにふるさと納税の分だけ控除が抜け落ちる。せっかく寄付したのに、もったいない話だ。
わが家の2026年の段取り
まとめると、今年のわが家はこう動く。
- 9月中に私の名義で寄付を済ませる。2026年10月からふるさと納税のルールが変わり、返礼品のラインナップが変わる可能性があるからだ
- 頼むのは例年どおり日用品と食品。出産直後は買い物に行く余裕がないので、トイレットペーパーやティッシュを先に確保しておく意味も大きい
- 上限は控えめに見積もる。医療費控除で下がる可能性があるので、シミュレーションの上限いっぱいまでは攻めない
- 医療費控除を使うかは、出産費用が確定してから判断する。使うなら確定申告、使わないならワンストップ特例
出産準備の節約という意味でも、ふるさと納税で日用品を先に押さえておくのは相性がいい。二人目の出産準備で「買い足さない」を徹底した話は別の記事に書いたが、今年もその延長線上にいる。
まとめ:迷ったら「今年いちばん税金を納めている人」の名義で
最後に要点をまとめておく。
- 育休の給付金は非課税なので、ふるさと納税の控除上限には効いてこない
- 共働きなら、その年に課税所得が多いほうの名義で寄付する
- 出産した年は医療費控除で上限がさらに下がることがある。例年どおりの金額は危ない
- 寄付者の名義とクレジットカードの名義は揃える
- 医療費控除で確定申告をするなら、ワンストップ特例は使えない
制度の話が続いてしまったが、要するに「今年いちばん税金を納めている人の名義で、上限は控えめに」で、だいたい間違いない。二人目が生まれる年は考えることが多くて後回しにしがちだが、寄付してから気づいても取り返しがつかないので、産まれる前の今のうちに決めてしまうのがいいと思う。
なお、細かい判断が必要なところは、勤務先の年末調整の担当者や、住んでいる自治体・税務署に確認するのがいちばん確実だ。わが家もそうしている。
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